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労働相談Q&A(労働条件をめぐってQ12~Q17)

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労働相談Q&A (労働条件をめぐって Q12~Q17)

Q12 入社時の契約はロ約束だけで自分の労働条件がわかりません。就業規則もみたことがありませんが・・・

Q13 就業規則では「午前8時から午後5時」となっていますが、朝はいつも7時に出社して夜は8時より早く帰ったことがありません。職場には「帰れない」雰囲気があって・・・

Q14 正社員で入社したはずなのに「12月から5月まではお客が少ないので、アルバイトで」といわれました。18万円くらいの手取りが日給7000円になってしまうのですが・・・

Q15 ホテルで働く契約社員。休憩時間がなく、夜勤も167室を女性2人で担当。仮眠室もなく、事務所にダンボールを敷いて寝ています。労基法に違反しているのではないでしょうか・・・

Q16 「いまは男女平等なんだから」と夜11時、12時まで残業させられ、体調を崩してしまいました。職場には、子どもの病気で休んだら退職勧奨された人もいますが・・・

Q17 電機メーカーのソフト開発の事業部に派遣社員として働いています。1年経過した時点で派遣先に雇用を申し出た場合、認められるでしょうか・・・

 

[Q12] 入社時の契約はロ約束だけで自分の労働条件がわかりません。就業規則もみたことがありませんが・・・

[A12]  労基法15条では、「使用者は、労働契約の締結にさいして、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」とされています。とくに、労働契約の期間、就業の場所および従事すべき業務、始業および終業の時刻、残業の有無、休憩時間や休日・休暇、賃金の決定や計算・支払いの方法と締め切り日および支払い時期、退職に関することなどは、書面で明示または就業規則で関係する事項を示すことが必要です。
就業規則については、労基法89条で、常時10人以上の労働者がいる事業所には作成と届け出が義務づけられており、労働者の過半数を代表する者の意見を開くこと(90条)、就業規則の全文と労基法の要旨などを、書面の交付または見やすい所へ掲示・備え付けて労働者に周知させる義務などが定められています(106条)。
あなたの会社の場合は、明らかに労基法違反になります。使用する労働者が10人未満で就業規則がなくても、賃金や労働時間、就業の場所や業務などは、事業規模に関係なく書面で明示すべきことです。
就業規則が労働基準監督署に届けてあっても、労働者に知らされていないケースがしばしばみられます。上司あるいは総務(人事)の担当者、職場の先輩、同僚などに開いてみましょう。労働組合がある場合、就業規則や労働協約がないということは考えられないので、役員に開いてみましょう。
就業規則がないときは、労働者の意見を反映させてつくらせましょう。まずは職場の仲間で、それぞれの「口約束」の内容や労働条件についての不安や不満などについて話し合い、会社に要求しましょう。労働組合をつくって労使交渉ができれば、会社が一方的に定める就業規則よりも、より労働者の意見をとりいれた労働条件にしていくことが可能になります。
就業規則や労働契約については労働基準監督署に相談できますが、実際に改善させていくためには、全労連加盟の労働組合(地方組織、産別組織)に相談するのが一番の方法です。

[Q13] 就業規則では「午前8時から午後5時」となっていますが、朝はいつも7時に出社して夜は8時より早く帰ったことがありません。職場には「帰れない」雰囲気があって・・・

[A13]  2つの問題があります。1つは、就業規則が守られないという問題です。もう1つは、残業についての労使協定(36協定といいます)があるかどうか、そして時間外労働(早出、残業)に対する割り増し賃金が支払われているかどうかです。この2つは関連していて、始業時間前の出勤や終業時間以降の労働が残業として適切に処理されていれば、それだけ費用が増え、会社としても就業規則を守るように対策をとらざるを得なくなります。
労基法は、「2週間について40時間を超えて労働させてはならない」「1日について8時間を超えて労働させてはならない」(32条)としています。そのうえで、その事業所の労働者の過半数を組織する労働組合との書面による協定(労働組合がない場合には、労働者の過半数を代表する者との協定)を労働基準監督署に届け出ることを条件に、労働時間の延長を認めています(36条)。その場合には、割増賃金(平均賃金の25%以上、休日労働は35%以上、深夜は50%)を払わなければなりません(37条)。時間外労働は「例外的」に認められるもので、協定がなく、時間外労働の管理がされず割増賃金が払われなければ、「強制労働」「賃金不払い」という犯罪的な行為になるということです。
このことを明確にしたうえで、なぜ始業時間よりも早く出社し、終業時間後も職場にいなければならないのか――職場の仲間で話し合ってみましょう。どうしても早出、残業が必要なときは、協定のうえで割増賃金を払い、それが日常化するようなら、人員配置など業務の体制を改善することが必要です。また、なんらかの「手当」を支給することで時間外労働を野放しにするわけにはいきません。「カネを払えばいい」ということでなく、労働時間そのものを管理しないと、健康や文化的な生活を維持できなくなりますし、常態化すれば実質的な賃金の引き下げにもなり、就業規則もあいまいなものになっていきます。
「帰りたくても帰れない」という気持ちは、おそらくあなた一人だけではないでしょう。まずは話せる相手から、率直に開いてみましょう。労働組合をつうじて労働条件の重要な問題として改故晋策を求めていくことが必要ですが、労働組合がない場合も、上司を含めての職場の話し合いが大切でしょう。

[Q14] 正社員で入社したはずなのに「12月から5月まではお客が少ないので、アルバイトで」といわれました。18万円くらいの手取りが日給7000円になってしまうのですが・・・

[A14]  労働条件の一方的な変更はできません。「正職員として入社した」ということですが、そのさい、どのような条件が明示されていたのか、就業規則はどうなっているのか――あらためて確認してみましょう。
労基法は第2条で「労働条件は労働者と使用者が、対等の立場において決定すべきもの」と規定しています。実際には、入社のさいに労働条件が明示され、示された就業規則を認めて就職する(労働契約が成立する)という形をとります。それが労働契約の前提になっているのですから、使用者は約束を守らなければなりません。だから、入社時に示された条件や就業規則は問題解決の出発点です(労働条件の明示と就業規則の有無については、68ページを参照してください)。
そのうえで、一方的な労働条件の変更に対しては、「それは同意できない」ときっぱり断ることが大切です。同意しなければ、当初の約束が生きているわけです。なんとなく同意させられたり、「いやならやめてもらう」などといわれて同意させられてしまった場合、急いで「同意しない」ことを意思表示することが必要です。場合によっては書面で通知します。
解雇も一方的にはできません。このようなケースでの解雇は解雇権の乱用とされます。解雇通知があった場合も、「私はやめません」との態度を明確にすることです。
最初の段階で明確な態度をとることが重要ですが、処遇の変更や賃金不払いなどの事態が進行してしまった場合、一人ではなかなか解決できないのが実情です。労働組合がある場合は組合をつうじて解決をはかりますが、労働組合がない場合や組合があってもとりあげてくれない場合、労働基準監督署に申告したり、地域の労働組合に加入して交渉することが必要になります。状況に応じて効果的な対策をとっていくには、全労連加盟の地域の労働組合に相談し、力を借りましょう。
基本的には、職場で労働組合をつくり、労働者の権利を守る活動を日常的にすすめておくことが大切です。

[Q15] ホテルで働く契約社員。休憩時間がなく、夜勤も167室を女性2人で担当。仮眠室もなく、事務所にダンボールを敷いて寝ています。労基法に違反しているのではないでしょうか・・・

[A15]  この相談は、25歳の女性からのものです。彼女の話では、「仕事はホテルのフロント業務、昼勤務は8時~19時、夜勤は19時~翌朝8時で、賃金は時間給。夜勤は休憩時間もなく、交代で事務室にダンボールを敷いて仮眠する状態でした。あまりにツライので、同僚と交代で空室で仮眠したわけですが、そのことが発覚して支配人から『解雇』をにおわす言い方で呼び出しを受けている。どうしたらよいか。これって、労働基準法違反ではないでしょうか」というものでした。
 この相談内容の問題点は次のとおりです。
①退職勧奨があっても解雇通告を受けても、絶対に自分から辞めるといわないこと。
②休憩時間は労基法24条で決められており、拘束時間からしても1時間以上の休憩が必要であり、労基法違反は明確。
③事務所の床にダンボールを敷いて横になるなど、就業場所に休養する場がまったくなくて、健康保持もできない環境は労働安全衛生法3条1項、23条、71条の2にも抵触している。
④タイムレコーダーも出勤簿もなくて労働時間の管理がズサン。残業しても手当が支払われないのは労基法36条・37条に違反することも考えられる。
そこで労働相談では、わかるかぎりで、これまでの労働時間を書き出し、時間外労働時間を特定することなどをアドバイスしました。同時に、職場の労働条件を改善するためにも労働組合への加入をすすめました。
そのあと、支配人から「やめてほしい」と退職勧奨がありましたが、「やめる理由がありません」と毅然と対応し、あわせて「休憩なしの過酷な労働でやむなく空室を使って仮眠した」「安全衛生上も重大な問題がある」と劣悪な労働実態について訴えたのです。経営側と話し合った結果、退職勧奨を撤回させることができ、「解雇や、空室での仮眠については何もいわなくなりました」との声が寄せられています。

 

[Q16] 「いまは男女平等なんだから」と夜11時、12時まで残業させられ、体調を崩してしまいました。職場には、子どもの病気で休んだら退職勧奨された人もいますが・・・

[A16]  1997年の労基法改定で、女性労働者の時間外・休日労働の制限、深夜業禁止規定が撤廃されました(99年4月以降実施)。この改定には多くの労働者が反対したこともあり、99年4月から、男女を問わず時間外労働についての上限規制が設けられ、あわせて、育児・介護等にかかわる労働者の時間外・深夜労働に一定の規制が設けられました。
労働時間は1日に8時間以内・週40時間以内と定められています(労基法32条)。時間外労働は、あくまで例外的なものとして、労使が書面で協定し、その協定の範囲内で許されるもので、男女を問わず、1週間で15時間、1ヶ月で45時間、年間で360時間などの上限規制が設けられています(労基法36条)。
また、育児・介護をおこなっている女性労働者(特定労働者)は、本人が申し出た場合、年間150時間以上働かせてはなりません(労基法133条)。深夜業については、育児・介護にかかわる労働者の深夜業免除の制度が設けられています(育児・介護休業法16条の2)。なお、特定労働者の150時間規制については、2002年3月までの暫定措置とされています。
法規制の経過と現状の規定には多くの問題が含まれていることから、多くの労働組合が労使協定で職場の労働者の実情や要求に沿った労働協約を蹄結しています。労基法よりも有利な協約を結ぶことは、いっこうにさしつかえないからです。労働組合が労働者の要求にこたえて労基法よりもきびしい時間外労働の規制や深夜業の制限を求め、法規制以上に労使協定で労働者の権利を守っていくことは重要です。労働組合があれば、あなたの要求を伝えていくことが必要でしょう。労働組合のない職場でも、仲間で話し合って現実的な解決を求めていきましょう。
男女を問わず、育児や介護、家族の生活を大切にすることがあたりまえになるような職場の「世論」づくりをすすめることが大切です。そのために労働組合は大事な役割を持っているのです。なお、どんな理由であれ、有給休暇を取得することでの退職勧奨などはあってはならないことです。

 

[Q17] 電機メーカーのソフト開発の事業部に派遣社員として働いています。1年経過した時点で派遣先に雇用を申し出た場合、認められるでしょうか・・・

[A17]  労働者派遣法は、同一派遣先への継続派遣期間の上限を、一部の業務をのぞいて1年間としています(40条の2)。
1999年12月施行の派遣法改定では、従来、専門的な業務などの26業種に限定していた派遣労働の対象業種を原則自由化しました。あわせて、同一の業務に継続して1年間従事した派遣労働者について、派遣先が直接雇用する努力義務が設けられました(40条の3)。もし1年を超えて継続して派遣されている場合、労働大臣は派遣先や派遣元に対して勧告し、労働者が派遣先に雇用されることを希望している場合は、その労働者を雇い入れるように指導・助言、勧告することができます(49条)。
ただし、従来から26業種については、業務の専門性などから、行政指導として最長3年間の継続派遣が認められ、業務や事情によっては長期派遣が認められる例外もあることから、99年の改定による直接雇用の努力義務は、自由化された新たな業務が対象とされているようです。1年間の継続派遣に限られる業務について、希望する者に直接雇用の道をひらいたものといえます。あなたの場合、ソフトウェア開発の業務への派遣のようなので、これまでのように最長3年までの継続派遣が認められ、直接雇用努力義務が明確にされていません。
しかし、「1年まで」「3年まで」という制限は、長期におよぶ恒常的な業務はできるだけ派遣労働者でなく正社員として雇用し、担当させるというのが派遣法の基本的な前提です。したがって、ソフト開発業務をはじめとした26業種についても、1年ないし3年を超えるときは派遣先の直接雇用努力義務が生じるとの法律専門家の主張があり、3年を超えて長期に派遣就労している場合は雇用関係が成立する場合があるとの解釈もあります。
派遣法33条は、派遣元との雇用関係が終了した労働者を派遣先が雇用することを派遣元が制限することを禁止しています。基本的には直接雇用がのぞましいのですから、派遣先と話し合ってみることです。
派遣先の労働組合によるはたらきかけは大きな力になりますし、派遣労働者自らが労働組合をつくり、条件整備と権利の拡大をはかることが重要になっています。全労連加盟の東京労連や大阪労連では、派遣労働者のためのネットワークづくりがとりくまれています。こうしたところとも連絡をとって、相談・交流をふかめることをおすすめします。
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