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労働相談Q&A(賃金未払い・サービス残業Q7~Q11)

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Q7 経営が思わしくなく遅配や分割払いがつついたため、会社を辞めました。2ヶ月分の給料が未払いですが、電話をしても社長は口約束だけで払ってくれません。支払わせるには・・・

Q8 ハローワークの紹介で月給16万円ということで入社したが、実際は13万4000円。経営者は「経営状態が悪いので払えない」といって40万円の賃金が未払いになっているが・・・

Q9 パートで働いていますが、会社から「来月から時給を下げる。昇給制度もなくす」といわれましたが、泣き寝入りするしかないのでしょうか・・・

Q10 入社のときに口頭で「残業手当は出ない」といわれました。毎日4~5時間の残業がつづいてるが、残業代を請求できるでしょうか・・・

Q11 会社は不景気のため、「残業時間の上限を月20時間まで」と限定しています。仕事は増える一方で1ヶ月に100時間以上もサービス残業。組合は会社のいいなりですが・・・

[Q7] 経営が思わしくなく遅配や分割払いがつついたため、会社を辞めました。2ヶ月分の給料が未払いですが、電話をしても社長は口約束だけで払ってくれません。支払わせるには・・・
[A7]  労基法上の賃金支払いの原則は、①通貨払い、②直接払い、③全額払い、④毎月払い、⑤一定期日払いとなっています(労基法24条)。
①通貨払いとは、賃金は通貨で支払わなければならず、現物給付は禁止されています。ただし、通貨以外のもので支払うことができるのは、労働者の意思により本人の指定する口座へ給与を振り込む場合などです。②直接払いは、名実ともに労働者本人に直接支払うということです。③全額払いとは原則として全額を支払うことであり、例外的に税金、社会保険料、労働組合費などの控除・天引きは許されています。④毎月払いとは、毎月1回以上支払うという意味です。⑤一定の期日払いとは、支払期日を定めて定期的に支払うことです。ただし、臨時に支払われる賃金や一時金はその限りでなくてもよいとされています。
労基法23条では、使用者は、労働者の退職の場合に労働者から請求があった場合は、所定の支払日にかかわらず7日以内に賃金を支払うほか、積立金、保証金、貯蓄その他名称のいかんを問わず労働者の権利に属する金品を返還しなければならないことになっています。事業主が、退職した労働者にかかわる賃金(退職手当はのぞく)の全部または一部を退職の日(退職の日後に支払期日が到来する賃金にあっては当該支払日)までに支払わなかった場合には、労働者は、その翌日から支払われるまでの期間について遅延損害金を請求できます。なお賃金債権の消滅時効は、退職金以外の賃金は2年、退職金は5年となっています(労基法115条)。一時金や退職金についても、その支給条件が労働協約や就業規則、労働契約などで定められていたり、事実上の慣行や個別合意があれば、明らかに賃金と認められ、請求権があります。
賃金の支払いを請求するためには、就業規則、労働時間管理記録、業務記録などで請求額を確定し、文書で請求すべきです。
賃金の未払いは、労基法違反で罰則も適用されます(120条1項)。書面で請求しても支払われない場合は、労基署に申告すると、労基署が調査して賃金支払いを勧告し、それによって支払われるのが通例です。
[Q8] ハローワークの紹介で月給16万円ということで入社したが、実際は13万4000円。経営者は「経営状態が悪いので払えない」といって40万円の賃金が未払いになっているが・・・
[A8]  会社の言い分は不当であり、当然、差額を支払わせることができます。ハローワークの紹介にしろ、新聞広告にしろ「日給16万円」で求人していたのであり、あなたはそれに応募し、採用されたのですから、あなたと雇用主との雇用契約は当然月給16万円です。法律用語では、この場合のハローワークの募集(求人)広告は、「申し込みの誘因」(誘い)といわれるもので、そのなかに「月給16万円」と記載されていて、なおかつ面接時の口頭約束で16万円が提示され、それを納得して応募したのであれば、それが雇用契約となるわけです。したがって、16万円と13万4000円との差額は請求できます。労基法24条では賃金の全額払いを定めており、それに違反した場合は罰則を設けていますから、あきらめる必要はありません。
経営者は、「経営状態が悪いので今は払えない」といっているようですが、経営が悪くて支払能力がないということと、雇用契約に反して本人の同意も得ないままに賃金の未払いをつづけることとは、別次元の問題です。
未払い賃金を支払わせる方法はいくつかあります。まず、雇用契約上、あなたの月給が16万円であることの確認を経営者に求め、そのうえに未払い賃金が存在することを認めさせることが必要です。40万円の未払い賃金が確定したら、口頭および書面で請求します。それでも支払われなければ、内容証明郵便で請求します。
身近にある労働相談センターなどに相談し、労働組合の援助を得て交渉するのが意外と早く確実に解決する方法です。また、必要に応じて弁護士に相談してもよいでしょう。さらに、労働基準監督署へ賃金未払いの申告をおこなえば、労基署が使用者に対して調査し、賃金支払いを勧告、支払われる場合があります。最寄りの簡易裁判所へ小額訴訟の手続をとることもできます。簡易裁判所にはアンケート形式で賃金請求に関する訴状や調停申立書が完成する書式が備わっていますので、本人だけで手続ができます(この場合の請求額は30万円以下に限られる)。
[Q9] パートで働いていますが、会社から「来月から時給を下げる。昇給制度もなくす」といわれましたが、泣き寝入りするしかないのでしょうか・・・
[A9] そんなことはありません。パートでもアルバイトでも、最初に雇用契約を交わすときに、労働条件を明示した「雇入れ通知書」をもらっているでしょう。雇用契約の内容を変更するためには、双方の同意と納得が前提でなければできません。一方的に労働条件を変更することはできないのです。
あなたが採用されるときに交付された「雇入れ通知書」には、最低でも、①仕事の場所・内容、②始業終業時間・休憩時間・休日・休暇、③賃金・昇給、④退職に関する事項などが記載されているはずです。「雇入れ通知書」にある時間給や昇給制度がどうなっているかをまず確認してください。雇入れ通知書がない場合でも、現実に時間給での支払いがあり、昇給制度が何年もつづいていれば、それが事実上の労働条件となりますから、泣き寝入りすることはありません。
ところで、地域包括最低賃金制度を知っていますか。この制度は時間額と日額の両方で各都道府県ごとの最低賃金額を定めており、毎年改定されています(東京都最賃2008年現在766円)福岡県は675円。あなたの時間給がこの最低賃金額を下回っていれば違法となります。問題は、「最低賃金額を上回っている限り違法ではない」という口実で経営者の好き勝手にさせないためにどうするかです。みんなで話し合って、時間給の引き下げは認めない、昇給制度は維持する――この2点を最低限の要求として確認し、経営者と交渉することです。もっともよいのは労働組合に入るなり、労働組合をつくり、集団として交渉することです。
[Q10] 入社のときに口頭で「残業手当は出ない」といわれました。毎日4~5時間の残業がつづいてるが、残業代を請求できるでしょうか・・・
[A10]  残業代は当然請求できますし、不払い労働は違法です。労働時間の原則は、1日8時間・1週40時間であり(労基法第32条)、これを超えて労働(残業)させるためには、労働組合がある場合は時間外・休日労働に関する協定(36協定)を結び、これを労働基準監督署長に届け出る必要があります(労働組合がない場合には、労働者の過半数を代表する者との協定を結ぶことが労基法で定められています)。しかも、残業はその協定の範囲内でなければならないとされています。
98年の労基法改定によって、時間外労働の限度に関する基準が定められ、36協定を結ぶにあたって、協定当事者は、一部の事業または業務(①自動車運転の業務、②新技術、新商品等の研究開発の業務、③工作物の建設など)をのぞき、原則としてこの基準に適合する制限時間を定めなければならないこととなりました。この基準は一般労働者の場合、1週15時問、2週27時間、4過43時間、1ヶ月45時間、2ヶ月81時間、3ヶ月120時間、1年360時間となっています。
あなたの場合、この基準からみて「違法状態」に近い残業がもともと強制されていることになります。入社のときに口頭で「残業手当は出ない」といわれたということですが、現実には毎日4~5時間も残業しているわけですから、「残業手当が出ない」という経営者の言い分は、不払い労働を強制するもので、明らかに労基法に違反しています。
よく問題となるのは、残業を「労働者が自主的におこなったもの」と使用者が強弁する場合です。この場合も、仕事が多すぎて残業せざるを得ない状況を経営者や上司が放置しているようなときには明らかに不払い残業ですから、労働者は残業手当を請求でき、使用者は支払わねばなりません。
あなたは残業手当を請求できますから、自分で毎日の出退勤時間、残業時間数、業務内容などをメモし、給料の起算日に前月分を請求してください。それでも支払わなければ、労働基準監督署に申告し、未払賃金の支払いをさせるようにしてください。割増賃金の計算は66ページ表のようになります(割増賃金を計算するさいの月給には、個々の労働者によって手当額が違う家族手当、住宅手当、通勤手当などはのぞかれることがあります)。
●割増賃金――いろいろな割増賃金
・法定労働時間外の割増貸金
=算定基礎×1.25×(時間外となる時間数)
・法定休日労働の日の賃金
=算定基礎×1.35×(その日の実労働時間数)
・時間外労働が深夜に及んだ時
=算定基礎×1.50×(対象となる時間数)
・休日労働が深夜に及んだ時
=算定基礎×1.60×(対象となる時間数)
※深夜(22時から翌5時)の割増率は2割5分以上
です(労基法37条3項)。
[Q11] 会社は不景気のため、「残業時間の上限を月20時間まで」と限定しています。仕事は増える一方で1ヶ月に100時間以上もサービス残業。組合は会社のいいなりですが・・・
[A11] あなたの会社にはまがりなりにも労働組合があるわけですから、時間外・休日労働に関する協定(36協定)を結んでいるはずです。その労使協定の内容がどうなっているかをまず確認してください。36協定で「残業時間の上限を月20時間」としているのかどうか。36協定があっても、会社が一方的に「残業時間の上限を月20時間」とし、残業手当も20時間分しか出さないのか――それによって対応も違ってきます。36協定で「残業時間の上限が月20時間」となっていれば、それを上回って残業させることは違法です。しかし違法であっても、現に残業していれば割増賃金の支払いを受けられます。労使協定は労働基準監督署長に届け出ているはずですし、その範囲内で残業しなければならないとされていますから、それ以上残業させないよう、労基署から会社に指導・助言してもらうことが必要です。
労働組合に対しても、月20時間を超える残業は協定違反であることを指摘し、不払い労働になっている実態の改善を求めることが重要です。
労基法には「サービス残業」という概念はありません。一般によくいわれる「サービス残業」とは、実際に時間外労働をしているのに、それに対する割増賃金が支払われない場合のことです。たとえば、①タイムカードがあっても、タイムカードの終業時間を刻印してから残業する場合、②タイムカードがなくて、残業時間の記載あるいは申告をおこなわない場合などがあります。両者とも残業手当の未払いになります(労基法24条違反)。そのうえに36協定がない場合あるいは協定時間を超えている場合は、そのような労働をさせたこと自体について使用者は処罰されます(労基法32条違反)。この場合も当然、割増賃金の支払いは受けられます。
あなたが毎月100時間以上も残業するということは、「サービス残業」の手当てを全額支払わせるかどうかの問題だけではありません。大切なのは、賃金の支払いがされない労働はしないこと、残業した場合はきちんと支払いをさせるように交渉し、権利を確保することです。また、労働組合としてとりあげてもらうようにすることが大切です。それでも改善されないときは、みんなで労働基準監督署に申告し、是正の勧告を出させることです。
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