福岡県最低生計費試算調査 第二弾
時給1,684円と判明 北九州市・25歳・男

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はじめに

福岡最低賃金審議会から答申された2019年10月より改定される最低賃金額は、昨年度より27円引き上げられ841円である。5年連続の3%以上の引き上げとなった背景には、デフレ脱却をめざす現政権の政治的要請があった。また7月の参院選でも、最低賃金の引き上げがほとんどの政党の公約として掲げられており、最低賃金が政治的課題としてクローズアップされている。

このように最低賃金の水準が問題となっているが、もう一つの問題点として、最低賃金の地域間格差も取りざたされている。2月には、自民党の有志議員らにより、全国一律の最低賃金を目指す「最低賃金一元化推進議員連盟」の設立にみられるように、現在の地域別最賃を是正すべきという声が地方を中心に広がりつつある。なぜ、このような声が大きくなっているのか。1976年に完成した地域別最賃は、全国をAランクからDランクの都道府県別を「格差づけ」し、このことが人口の地方から都市への流出の要因となっていると考えられているからである。

これまで「大都市は地方より物価が高い」という“常識”があり、生計費は都市で高く、逆に地方では低いものであると考えられてきた。しかし、全労連が中心となって全国各地で実施されてきた最低生計費試算調査の結果は、この“常識”を否定する。調査からは「最低生計費は全国どこでもそれほど差がないこと」という結論が導き出されている。2018年4月に福岡県労働組合総連合(福岡県労連)が公表した、福岡市東区に在住する25歳単身者モデルの最低生計費(税・社会保険料込み)が、男性=227,536円、女性=236,621円との結果も、これらの結論を裏付ける結果であった。つまり、最低賃金は全国一律にしなければならないのである。

今回は、福岡県最低生計費試算調査の結果の第2弾として、福岡県北九州市における若年単身世帯の最低生計費を公表する。今回の結果公表によって、福岡県内の生計費の構造をさらに詳細に明らかにしたい。