九州朝日放送(KBC)「アサデス」で紹介されました。
福岡市で若者が普通の生活をするには、時給1500円は必要
全国どこでも同じ水準が必要と判明しました。
 福岡県労連は、静岡県立大学の協力を得て、4月24日福岡県庁で「最低生計費試算調査の結果について」発表しました。
 これは、福岡市で「若者が普通(どこに出ても恥ずかしくない)の暮らしをするためには時給1500円は必要」と言うもので、今回初めて福岡県で労働者が普通の暮らしを送るために必要な費用を科学的データにもとづいて明らかにしたものです。
 具体的には、県労連に加盟する組合員を中心に、生活のパターンを調べる「生活実態調査」および「手持ち財調査」を行い3000名余が回答しました。その結果を精査し、7割の者が持っているものを生活に必要な物として、福岡市内で「価格調査」を行い、最低価格(一部標準的な価格)を採用し、費用をひとつひとつ丁寧に積み上げいく「マーケット・バスケット方式」によって最低生計費を算定しました。
 今回、そのうち10代~30代の実際に一人暮らしをしている267人分のデータを分析した25歳の青年「男・女」の結果を報告します。
 今回の最低生計費試算調査は、①最低賃金額の引き上げと全国一律制度への改正の強い根拠を示す、②春闘の賃金討議の素材(特に各年代で具体的にどのくらい生活費が必要なのかを明らかにできる)、③公契約運動推進における賃金設定の基礎となる考え方を示す、④人事院(委員会)の標準生計費に対する批判の根拠を示す、⑤賃金と社会保障の関係を考える手がかりを示す等、さまざまな成果も期待されています。福岡県における「健康で文化的な暮らしを送るための費用」をより明確な数字で提示することで、貧困や格差の拡大や地方経済の衰退などの諸問題解決の出発点とします。4月24日には、福岡県労働政策課、4月27日には福岡市人事委員会に説明を行いました。
<調査結果について>
1.結論
①福岡市東区で、若者が普通の生活をするためには、男性=月額227,536円、女=月額236,621円(ともに税等込み)が必要である。年額に換算すると約270~280万円となる。
②中央最低賃金審議会で用いる労働時間=月173.8時間で、時給換算すると、●男性=1,309円●女性=1,361円
③一般の労働者の所定内労働時間に近い150時間で、時給換算すると、●男性=1,517円、●女性=1,577円となった。
2.対象のモデルと地域
①「年齢は25歳、大学卒業後、勤続年数3年」を想定している。年収=282万円(月収=21万円、一時金=30万円)
②居住地域
 居住地域は、福岡市東区(最寄り駅=香椎駅)を想定した。東区に設定したのは、●公共交通機関が使いやすい地区であること(福岡市中心部にある会社に公共交通機関を利用して勤務している)、●若年者が多く居住している区であることが、主な理由である。
3.算定の方法-留意した点
 この生計費で想定した「普通の生活」の内容は、以下のよう なものです。
①東区の25㎡の1DKのアパートに住み、家賃は32,000円。自転車とJRを利用して、福岡市中心部に通勤している。
②交通・通信費については、生活実態調査の結果から、福岡市では、移動手段として自家用車もしくはバイクが必需品では ないと判断した。
③1か月の食費は、男性=約43,000円、女性=約32,000円。朝食は家でしっかりと食べ、昼食は、男性はコンビニなどで お弁当を買い(1食あたり500円)、女性は昼食代を節約するために月の1/3 は弁当を持参とした。
④昼食や仕事の帰りや休日のお酒や会食については、生活実態調査の結果から、その回数や費用を月に2~3回、同僚や友 人と飲み会・ランチに行っている(1回3,000円)。
⑤水道・光熱費、医療費(保健医療費)については、総務省「平成26年全国消費実態調査」を用いて、物価上昇率を考慮し て算定した。
⑥冷蔵庫、炊飯器、洗濯機、掃除機などは、量販店で最低価格帯のものでそろえた。
⑦衣服については、男性は背広2着(約29,000円)を、女性はジャケット2着(約6,500円)を4年間着回している。
⑧休日は家で休養していることが多い。帰省なども含めて1泊以上の旅行は年に2回で、1回当たりの費用は3万円。月に4回は、恋人や友人と遊んだり、映画・ショッピングに行ったりして、オフを楽しんでいる(1回2,000円で月に8,000円)。
⑨理髪料としては、市内の組合に所属している理美容店の価格調査を行った。組合員に対する聞き取り調査の結果、男性の場合1月に1回、女性の場合2月に1回として算定する。
⑩交際費・その他については、生活実態調査の結果から、●親戚などの結婚式・お葬式など、●お中元やお歳暮は、生活実態調査の結果から「送らない」、●見舞金やお年玉等については、年間費用30,000円、●住宅関係費は共益費・月に2,000 円、●新年会や忘年会、同窓会への参加、年間4回、1回3,000円、●労働組合費月2,100円(所得の1%を目安)。●その他会費として、年間3,000円。
⑪自由裁量費(=こづかい)については、1人1日200円として月6,000円とする。
⑫その他、予備費として、消費支出の1割を計上する。
⑬教育費については、若年単身世帯のため、今回は算定に含めない。