北九州市の生活保護はどうなったのか

9月30日北九州市小倉北区の市男女共同参画センター・ムーブの多目的室で、「生活保護支援九州・沖縄ネットワーク10周年記念集会」(県司法書士会・県弁護士会後援)が開催され、参加者は会場からあふれんばかりの市民が参加しました。これは、10年前に北九州市小倉北区で「おにぎり食べたい」と日記を残して餓死をした事件から10年を節目に集会が開催されたものです。
 報告では、高木健康弁護士が報告し、2005年から連続した死亡事件を検証する「北九州市生活保護行政検証委員会」が、小倉北区の餓死した男性の残っていた日記と市民世論の大きさから検証の対象にし、厚生労働省も「北九州市の生活保護行政は間違っている」と結論づけた。と述べました。そして、あれから10年たって申請から保護開始まで30日が、まだ常態化していることを指摘しました。
 その後、記念対談が行われ、作家の雨宮可凛さんと厚労省官僚から弁護士に転身した尾藤廣喜さんが「あれから日本の生活保護はよくなったか」と題しての対談が行われました。
 尾藤弁護士は、「厚労省は北九州市を『生活保護行政の全国のモデル』として天下り職員を30年に渡りチームで派遣し、数値目標による管理や扶養の強制、厳しい就労指導、母子家庭やホームレスの保護申請の排除・水際作戦は厚労省が率先してやってきた。そして事件が起きて『北九州市は間違っている』と梯子を外した」と述べました。
 雨宮さんは、「この11年、5年周期で事件が起きている。07年の北九州のおにぎり、12年の札幌、17年の女子高生バッシング。貧困を言うとバッシングする風潮がある。生活保護と公務員バッシングが交互になっている。新自由主義との戦いの30年だったが、当事者が声を上げ始めた。
 尾藤弁護士は、行政や政治家が烙印を押し付けてくる。世界の常識は権利行使がしやすい状況を作っているが、日本では政治家がバッシングを率先してやる。最低保障年金を作れば生活保護受給者は減る。生活保護者はモラルはザードと言うが、政府がモラルハザードだ」と述べました。
 雨宮さんは「マスコミが生活保護受給者のイメージを作っている。カップ酒、パチンコとその映像が市民に刷り込まれている。辛くても生活保護を申請しない人がバッシングに向かう」。
 尾藤弁護士は「生活保護だけでなく年金、最低賃金の引き上げ、雇用制度などを充実させていくことが大切。我慢比べ、貧困比べになってはいけない」と述べました。