東京都と地方の格差はさらに拡大

福岡地方最低賃金審議会は、最低賃金を789円にする答申を8月7日、福岡労働局長に対して答申を行いました。低額改定に対して、県労連は直ちに異議の申立を行いました。10月1日から最低賃金が改定されます。

中央も地方も審議会が形骸化

福岡県労連は、毎月JR博多駅筑紫口での宣伝行動と県最低賃金審議会に対して意見書を提出し、「全国一律・直ちに時間額1000円以上に」と団体署名72組合・1801人分を提出して要請をおこなっいきまきた。
全国加重平均では、2016年度の823円から25円上がって848円となりましたが、これは安倍政権がすすめる「働き方改革実行計画」に盛り込まれた、最低賃金を毎年3%引き上げて1000円にするとした内容に沿ったものであり、4つの地方最低賃金審議会以外は目安通りの答申をしていることを見れば、中央も地方も審議会が形骸化していると言われても仕方がありません。

労働人口流出で社会問題化

今年度の改定で、最高額の東京都958円と最低額の737円では、221円もの格差があり、昨年の218円からさらに格差が拡大し、大きな社会問題となっている最低賃金の低い地域から高い大都市への労働人口の流出に拍車をかけることになってしまいます。また、福岡県の最低賃金789円では、厚生労働省が算定基準としている月173.8時間(週40時間フルに働いた時の月平均時間)働いたとしても、月に13万7128円、年間164万5538円にしかならず、働いてもまともな生活ができない「ワーキングプア(年収200万円以下)」から抜け出すことができません。
福岡県知事は、10年前から「最低賃金の引き上げに関する意見書」を国に提出し、「思い切った引き上げを是非とも実施すべき」と要望していますが、今年も時間額800円の要望しか提出していません。福岡県内の各地の疲弊・格差の進行を考えても時間額1500円への引き上げは喫緊の課題です。

最賃は生活保護水準以下?

最低賃金法では、地域最低賃金の決定において「生活保護に係る施策とのに配慮する」として、生活保護水準との乖離がないように配慮するとされています。しかし、現行制度の重大な欠点は、全国一律でないことと生計費原則が貫かれていないことです。単に生活保護との比較といっても、税や社会保険料などの負担を考慮すると、生活保護より最低賃金の水準は一定程度は以上は上回ります。実質可処分所得と比較することが重要となります。過去、政府の国会答弁でも同様の見解が述べられています。
本来、最低賃金は、憲法25条に基づき、最低賃金法にも規定されているとおり、労働者が「健康で文化的な最低限度の生活を営むこと」を保障するものでなければならず、その上で事業者の支払い能力に問題があれば、法27条にもある様に行政が支援するというものでなければなりません。