福岡県実行委員会では、10月4日(火)に福岡労働局、九州産業保安監督部、福岡県、福岡市、福岡中央労働基準監督署への要請行動をおこない、県労連、建交労、民医連、じん肺・アスベスト弁護団、福岡建労など、20名が参加しました。

キャラバン福岡行動、結集集会

基調講演
「アスベストを使用した建築物のハザードマップと補助制度の必要性」 夕方から開催された集結集会には、当日の行動に参加した諸団体などから43人が参加。
集会冒頭、九州建設アスベスト訴訟弁護団副団長の伊黒忠昭弁護士が基調講演をおこないました。
講演の主な論点は、①平成26年国交省公表の「建築物石綿含有調査マニュアル」では、これまで2000㎡の民間建築物について吹付石綿の調査が進められてきたが、これだけでは不十分で、1000 ㎡未満についてもデータベース化を進めるよう全国の自治体に呼びかけられていること。②これからデータベース化を進めようという時に、補助制度を廃止することの政策的な矛盾の2点。
熊本を中心とした地震災害の事例を見ても、事前のデータベース化で速やかな初動対応ができ、引き続く復旧作業でボランティアも含む粉じんばく露被害の防止に大きな役割を果たします。
アスベスト関連補助の廃止の問題では、廃止の経緯として「制度利用が低調」であることが財務省から指摘され、調査費補助(国が全額、上限1棟25万円)は平成29年度末、吹付除去工事費等の補助(国3分の1、自治体3分の1)は、平成32年度末まで着工分で打ち切りに。仕組は「自治体が制度を作り、これに国が補助」するもので、県内では、福岡・北九州・大牟田の3市のみが採用しているにとどまり、これでは低調になります。
さらに現制度は、解体工事時には適用されず、そもそもアスベスト建材の使用を推進してきたのは国の建築行政であり建物の所有者には責任がないことを考えれば、改善の必要性こそあれ廃止する理由はないことが訴えられました。

続いて、報告に移り、九州建設アスベスト訴訟弁護団長の山本一行弁護士から、九州産業保安監督部への要請で、引き続き謝罪や和解に応じない日鉄鉱業への指導を求めたことを報告。訴訟関係では、九州建設アスベスト訴訟弁護団の福留英資事務局長より訴訟の全国の進行状況や課題の報告、建交労大牟田支部の平川道治執行委員長より第1陣で勝利和解を勝ち取った福岡築炉じん肺訴訟第2陣の取組が報告。
また、九州社会医学研究所の田村昭彦所長から、これまでじん肺の診断には「レントゲン標準写真」が一貫して用いられてきたが、ここにきて、学会などへのコンセンサスもなく来年3月にもCTによる新たな診断基準が示されようとしている。これでいけば、これまで「じん肺」と診断されてきた方々のうち半分が「じん肺ではない」と切り捨てられる事態も予想される、と問題の重大性が訴えられました。

最後に、西日本石炭じん肺訴訟弁護団長の岩城邦治弁護士から、じん肺キャラバンを全国で取り組むことになったのは、謝罪を拒否する日鉄鉱業に対して全国の被害者や支援者が憤りを持って立ち上がったことがきっかけとなった。日鉄鉱業は「悪い会社」だが、我々のキャラバンの「シンボル」でもあると述べられ、今後の闘いに力を合わせようと訴えられました